「Pが非Qと同値であれば、Qは非Pを含意するが……」
元祖・アンチヒーロー、ハロルド・シェイシリーズ第一巻。 シリーズを通しての基本コンセプトは、主人公のハロルド・シェイ (心理学者)が、チャーマーズ教授の開発した「論理方程式」を 基本原理とした「三段論法的転送機」を使用して、 神話や叙事詩の世界へ転送。 そこの世界の人物たちを巻き込んで、てんやわんやの大騒ぎとなる……。 というものです。ただし。 未開の冒険ものにありがちな、現代社会の文明の利器を持ち込んで 万事OK!というノリにはならないところが、この話の面白いところ。 マッチ・ライター、使えません。 ステンレス、思いっきりサビます。もちろん銃なんて使えません。 あくまでも、その世界に「存在するモノ」??? そこでの「理(ことわり)」に即したモノしか役に立たないのです。 一巻でシェイがとびこんだのは、スカンジナヴィアの北欧世界、 しかも巨人族と神々を巻き込んでのラグナロク開戦直前という 素敵なタイミング。 魔法使いに化けたはいいけれど、頼みの綱になるはずだった文明 アイテムは一切使えず、どうするどうするハロルド・シェイ! ???と、言うのがこのシリーズの面白さです。 北欧神話を知っていたほうが面白いけれど(神様たちがいろいろと素敵(笑))、 知らなくっても問題はありません。 ちなみに、私の記憶にある限り 「レイピア使いが巨漢をきりきりまいさせる」 というシチュエーションを見たのは、この作品がはじめてでした。
早川書房
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